
邪恋の爪痕と片恋の彼
第10章 手料理と自覚
「境井さん?寝てますか?」
ひとしきり落ち込み…ボーッとしていた所に真壁が扉をノックする。
「――――あっ、いや…起きてる…」
重い体をお越し扉を開けるとフワッと頬笑む真壁が立っていた。
「///ど、どうした――――…?」
「晩飯…作りますけど――――…一緒に作りませんか?」
――――一緒に?
俺は「一緒に」と言われてドキッとした。
いつもは真壁が作ることが多いが、互いに作りあっていて、一緒にキッチンに入ることはなかった。
「///あっ、お…おう…///や…役にたたないけど…いいか?」
「いいですよ――――側にいて…おしゃべりしながら作りましょ?」
