
邪恋の爪痕と片恋の彼
第10章 手料理と自覚
「境井さんは、小さい頃から真面目だったんですね――――…、俺はダメでしたね!好き嫌いが多くて家族はあきらめてた」
「そんなに?」
すると、真壁はカットした食材を見て笑う。
「ここにある食材――――…ベーコン以外アウトでしたね!
ピーマンはもちろんですが、トマトも玉ねぎも…ちなみにキノコ類は全部アウト!…味、色、香り、見た目で嫌っていたのもありましたね!」
――――多くないか?めんどくさい子供だったんだな…
「ウインナーだって…皮があると食べなかったり…と、変なこだわりとかあって…母親は俺に料理を作るのをやめたほどでした」
母親が料理を放棄するレベルって…どんなに偏食少年だったのか気になる…。
