
邪恋の爪痕と片恋の彼
第10章 手料理と自覚
一緒にキッチンに入ると、なんだかドキドキした。
別に、食材を切って…準備して――――…バスタを茹でて…
と、俺でも出来る作業だが、真壁の手際を見ると別物に見えるを
「相変わらず…上手だな――――」
「ええ、元カレ教えるのも上手だったんで…それなりに作れるようになりました」
――――元カレ…ねぇ………ン?
ちょっと…チクッと痛む心に…動揺する。
「境井さんって、好き嫌いなく食べますよね?昔からですか?」
「――――え?ああ…何でも食べて大きくなれって…言われてたなぁ~」
ふと、実家の食卓を思い出す。
母は何でも美味しそうに食べる人で…母に誉められたくて…ご飯はいつもは残さず食べたいた。
