
邪恋の爪痕と片恋の彼
第4章 日常訓練
「へぇ――――…///なんか、新鮮です。ありがとうございます」
「いや――――…コンビニ弁当食うときも消すから!お前が特別って訳じゃねえから」
満面の笑みで“ありがとう”と言う真壁に、何故か全力で否定してしまった。
否定しながら「いただきます」と言うと、「召し上がれ」と、少し小バカにした真壁の声が楽しそうに弾んだ。
しかし――――…
この真壁と言う男は――――…いったいなんなんだろうか…。
俺はフォークでパスタを巻きながらチラッと真鍋を覗きみる。
真壁 千寿(まかべ せんじ)
俺の2つ下の26歳だと――――認識している。
なかなか整った顔立ちから女子社員からは人気みたいである。
俺と野田の部署に来たのは昨年からだが――――…仕事は出来るし人付き合いも悪くない。彼女の存在もチラチラ匂わせていたから…
「俺は、ゲイですよ」の言葉にドキッとした。
