
邪恋の爪痕と片恋の彼
第4章 日常訓練
「――――俺たちも…行きますか?旅行…」
「――――は?」
「ハワイでも路線バスの旅にでも、俺と一緒に行きましょう、ね?」
――――ね?って……
「なんで…?」
「好きだから」
俺は野田の帰ってくる日付を見つめ、ため息をつく。
「俺は――――…好きじゃない」
“好き”と言う言葉が…
やけに飛び交うことに、俺は胃がキリリと痛んだ。
真壁と…
俺と――――…
微妙な温度差を感じつつ…涼しげな顔で頬笑む真壁に…苛立ちさえ感じる。
「俺は、お前の事を…///好きとか…分からない…そもそも、男が好きかどうかも分からない……野田だったから――――…かもしれない…」
