
邪恋の爪痕と片恋の彼
第4章 日常訓練
「最初は――――俺も“特別感情”からスタートしてますよ?」
フワッと笑う真壁に――――イラついた気持ちがスッと消えていく。
「――――俺は…ゲイ…なのか?」
「さぁ?」
そう言うと真壁は俺を抱き締めた。
最初のうちは抵抗していたスキンシップも徐々になれてきて、連休最終日の今は――――…すんなり抱き締められている。
「――――もう、どっちでも…いいか…」
そして、俺は考えるのをやめた。
目を閉じると…真壁の香りが鼻から肺に流れ込みゾクッと背筋に甘い痺れが走る。
「帰る前に――――…」
耳元で囁かれると身体に力が入る――――…。
何度…抱かれても…最初のアクションは緊張する。
「///……意味が…分から……ん」
――――チュッ…
首筋に真壁の唇を感じる。
「お、俺…///ニンニク…臭いぞ――――」
「境井さん――――…俺もですよ」
