
邪恋の爪痕と片恋の彼
第5章 残りカスの薫り
土日の休み中に、原案を俺のパソコンに送ると言っていたから…休みなのに…仕事をしている気分になりそうだなぁ…。
「お?――――早速、Webの方は一段落か?相変わらず仕事が早いなぁ…」
声をかけられビクッと後ろを振り替えると、境井さんが資料を抱えて立っていた。
「――――境井さん…その資料…」
「追加の資料――――…御船さんは本当に妥協のない人だ…尊敬するよ」
ホクホク顔で資料に目線を向ける境井さん。
――――はぁ…この人は…
「そうだ――――…Webの方は、順調なので……今日、時間あります?」
「は?今日?」
俺は、この土日を境井さんと一緒にいようと……決意した。
