可愛くなりたい。
第5章 ~あの頃~
教室に入ろうとドアを開ける。
その瞬間、
ボフッ
私の頭の上になにかが落ちた。
それは、
黒板消し。
しかもたっぷりチョークの粉付き。
さっきから思うけどよくある嫌がらせ。
マンガに書いてあることそのままやってんじゃん?
と、思う私。
あ、私って性格悪いかも
なんか一人ぼっちになってから性格悪くなった気がする。
まぁどうでもいいか、
私は頭に付いたチョークの粉を落とし、席に着いた。
あ、やば…
そういえば、
金曜日おき勉しちゃった。
恐る恐る、机の中を除くと
案の定、教科書が無い。
この調子で教科書無くなっていったら私忘れ物女王じゃん。
鍵でも付けたい。
すると、
「ねぇ~なんかさぁ柚那ってさぁ正直言ってキモいよね~」
と、美姫が言い始めた。
「うんうん」
と、みんな。
私の事可愛いって言ったのはどこのどいつ?!
まぁあれは嘘なんだよね。
私キモいから。
うん。
言われなくても自覚してます。
うわ、私性格悪っ!
もういちいち
相手にするのやめよ。
プラス思考で行こう。
飛んでけ!朝の弱気な私!
と、心の中で叫んでみた。
弱気な私は消えていた。