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死んでも愛して

第5章 ゴゾン

確か、407号…いや、409、、いや…

思い返すが、彼女と過ごした部屋番号が思い出せない。
大切な番号だったはずなのだが、脳も腐っている俺には記憶を保っていることはできないのかもしれない。
ただ、生きているときから、俺の記憶は日々消えていっていたように思うし、ゾンビになったから特別にそのスピードが速まった気もしない。

そう思えば、記憶なんていうものは、生まれては消えていくアブクのようなものなのかもしれない。
消えていった記憶の行き先なんて誰にもわからない。

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