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ブラコンですが、なにか?

第2章 Be loved by brothers

「ほら、早くご飯食べて」

ダラダラと起きてくる兄ちゃんたちに声をかけ、味噌汁をよそってテーブルに並べる。


「ふぁ~い」

今日も寝癖全開の智にぃ。


「おはよぉ~」

腹をボリボリかいている翔にぃ。


「トイレ、トイレっ」

朝から騒がしい雅にぃ。


俺もエプロンを外すと、リビングに向かった。


「じゃあ、いた……」

「ちょっと待ってー!」

雅にぃがバタバタと走って、勢いよく椅子に座るとテーブルが揺れた。

「雅紀、味噌汁零れるって言ってんだろ!」

翔にぃの手には並々に注いでいる味噌汁。


みんなより多いから零れやすいんだよね。


「へへっ、ゴメンゴメン」

毎朝のやり取りだから、翔にぃのイライラも雅にぃは慣れっこ。


もちろん、俺も。


「早くしないと卵焼き、無くなるよ」

2人の口論もお構いなしにご飯を食べ進める智にぃ。

「嘘っ、マジで!」

翔にぃが慌てて卵焼きを取ると、口いっぱいに頬張った。

「ヤバ…っ、いただきます」

バチンと手を合わせて卵焼きに箸を伸ばす雅にぃ。


毎朝作る卵焼きはみんなの大好物で、卵の消費量が半端ない。


「和也、おかわりっ!」

米粒を口から飛ばしながらお茶碗を差し出す翔にぃ。

「ふぉふぁふぁり」

たぶんおかわりと言っている雅にぃ。

「おかわり」

ご飯粒がついているのに気づいてない智にぃ。

「はいはい、わかりました。あっ、もう卵焼き食べちゃダメだよ。潤の分なくなっちゃうから」

「「「はぁ~い」」」

シュンとする3人に自然と頬が緩む。


毎日こうやって作ったご飯を美味しそうに食べてくれるのは本当に嬉しい。


作り甲斐があるってこの事だな。


「早くちょうだーい」

翔にぃに急かされて、俺は急いで皆のお茶碗にご飯をよそった。

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