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ブラコンですが、なにか?

第7章 Cute little brother Kazunari④

「……で、なんでみんな起きてんの?ってか、俺のお茶漬け!」

ササっと風呂を終わらせてリビングに戻ってきたら、ズズッとお茶漬けを啜る面々。

「大丈夫、ちゃんと翔にぃの分もあるから。明太子と鮭、どっちにする?」

「え、あ…うーん」


和也と半分って言ってたのにさ。

熱いお茶漬けをお互いに「あーん」なんてしてさ……

「あちちっ」って熱がる可愛い和也を見て、火傷した舌を直してやるって言って……


「翔にぃ」

可愛い和也を想像していい気分だった俺を、真顔の潤が呼ぶ。

「顔、気持ち悪い」

「あぁん?誰が気持ち悪いんだよ!」

「翔にぃ……厭らしい事考えてたんでしょ」

俺をジト目で見る雅紀。

「は?ちげーわ、お前と一緒にするな!」

「まぁまぁ、どっちもどっちだって」

「「智にぃに言われたくない!」」

俺と雅紀のツッコミが一言一句、完全に重なった。

「ぷっ…それは言えてる」

潤も吹き出して笑った。

「おーまーえーらーなぁぁぁぁぁ!」

「もー、うるさーい!食べないなら、ぜーんぶ食べちゃうよ!」

プーッと頬を膨らませながら、和也が俺の前に鮭のお茶漬けを置いた。


怒っても全然、怖くないんだよな。

寧ろ、可愛さが増す。


……だよね?


「ごめんごめん。いただきます」

パチンと手を合わせると、パクッと熱いお茶漬けを頬張る。

「うんめぇぇぇぇ」

「良かった。あとで、そっちも頂戴ね」

和也もふーふーっとしてから明太子のお茶漬けを頬張った。


これは……『あーん』チャンス、到来か?



「熱いうちの方が美味しいから、今食べな」

お茶漬けを掬うと、和也の口の前に差し出した。

「え?あ、うん……あっち!」

キュッと瞼を閉じて、口を手で覆った。


これは……

火傷をした舌を治してあげるチャンスだ!

「「「「和…」」」」

4人の声が重なる。

「お水、お水」

和也はサッと椅子から立ち上がって、冷蔵庫へ。


俺たちは目を合わせて、ズズッとお茶漬けを再び啜った。



食後のデザート……争奪戦だな。

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