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ブラコンですが、なにか?

第8章 Brother's melancholy

【和也side】


智にぃと翔にぃの様子が気になって仕方なかった。

だからさっと買い物を済ませ、家へと戻った。

「ただい……」

ドアを開けた瞬間、焦げ臭いがした。

「ちょっと大丈夫?ケガしてない?」

俺は靴を脱ぎ捨てると急いでキッチンへと向かった。

「え?和也?」

「もう帰って来たのか?」

そこにはフライパンをゴシゴシ洗っている翔にぃと、冷蔵庫を開けている智にぃ。

どうやら俺の『ただいま』の声が聞こえてなかったみたいで、ビックリしている。

「なに、めっちゃ焦げ臭いんだけど?」

「冷やし中華作るのに、焦げ臭くなることある?」

雅紀にぃと潤がブツブツ言いながら家に入ってきた。


俺が早く帰るって言ったのもあったから若干……いや、かなり不機嫌。


「うっせー!色々、あんだよ!」

「あー、やっぱり翔にぃがやったんだ」

「さすが、翔にぃだな」

翔にぃを指をさしてクスクス笑っている雅紀にぃと潤。


これは暫く、弄られるな。


「智にぃは仕事、終わったの?」

「あ、うん。終わった。で、翔がチャーハン作ろうとしてさ……」

「えっ?チャーハン?」


簡単と言えば簡単だけど、翔にぃが作れるはずはない。

でも、なんで作ろうと思ったんだろう。


「和也が締め切り前の俺の体調を心配してるのわかってたから、ちょっとでも多く食べてもらおうって考えたみたいだ」

「そう……なんだ」

智にぃが少しだけ申し訳なさそうに雅紀にぃと潤に弄られまくる翔にぃを見つめる。


翔にぃ……ありがとう。



「翔にぃ、チャーハンの作り方教えてあげる」

「えっ?」

「ほら、早く玉子とって」

「あ、うん」

「で、智にぃはシャワー。翔にぃのチャーハン食べるでしょ?」

「おう、もちろん大盛りでな」

「了解」


智にぃのために、美味しいチャーハンの作り方を教えるからね。


「じゃあ、手取り足取り…頼むな?」

スルッと俺のお尻を撫でる翔にぃ。

「ズルい!俺も俺も!」

「いや、ここはやっぱり俺でしょ?」

「待て待て、ここは一番上の俺だろ!」

俺の身体は代わる代わるみんなに引き寄せられる。

「もぉー!自分で作る!」


今日も俺……兄弟に愛されてます♡

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