ブラコンですが、なにか?
第8章 Brother's melancholy
【智にぃside】
「終わったぁぁぁぁぁ」
筆やパレットを置くと、すぐ近くのベッドに倒れ込む。
あー、マジで寝みぃ。
グルルルゥゥゥゥ…
でも腹、減った。
あ、そういえば和也が『お昼は翔にぃに頼んだ』って言ってたな。
きっちりした性格の翔の事だから今頃、用意してくれてっかな。
確か冷やし中華って言ってたけど、大丈夫かな?
盛り付けの具材は用意したから、麺を茹でるだけって言ってたけど……
『あっちぃぃぃぃぃぃ!』
カランカラン…
翔の叫び声と、何かが落ちた甲高い音が聞こえた。
麺を茹でるだけなのに、何やってんだ翔は?
「よいしょ…っと」
重い身体を起き上がらせて、キッチンへと向かった。
「だいじょ……」
ん?
焦げ臭くないか?
そしてフライパンから上がる煙。
「おい、翔!火を消せ!」
吹きこぼれを拭いているであろう翔に向かって叫んだ。
「え?あ、やばっ…玉子がぁぁぁ!」
「マジか、これ……」
頭を抱える翔の所に向かうと、2人で同じものを見つめる。
フライパンには真っ黒こげな得体の知れないモノ。
たぶん、翔が言ってた玉子なんだろう。
「何をどうすれば、こうなるんだ?」
「中華麺を茹でる間に、チャーハンを作ろうと思ってさ」
苦笑いを浮かべる翔。
ただでさえ不器用で料理も出来ないのに、2つ同時なんてほぼ不可能だろう。
俺は自然と溜め息が漏れた。
「だってさ、出かける前に散々雅紀と潤が料理できないってバカにしてさ……調べたら、チャーハンなら簡単にできると思って」
いつもはしっかり者で兄の俺より頼りがいの翔が小さく見える。
「それにさ……和也が締め切り前の智にぃの事を出かける時も心配してたから、いっぱい食べてもらおうと思ったんだ」
「で、やる事を逆に増やしてどうすんだよ」
焦げ付いたフライパンをシンクに置いて、水を出す。
「……ごめん」
「ほら、早く片付けて一緒に作るぞ」
落ち込む翔の髪をちょっと乱暴に撫でてやった。
「終わったぁぁぁぁぁ」
筆やパレットを置くと、すぐ近くのベッドに倒れ込む。
あー、マジで寝みぃ。
グルルルゥゥゥゥ…
でも腹、減った。
あ、そういえば和也が『お昼は翔にぃに頼んだ』って言ってたな。
きっちりした性格の翔の事だから今頃、用意してくれてっかな。
確か冷やし中華って言ってたけど、大丈夫かな?
盛り付けの具材は用意したから、麺を茹でるだけって言ってたけど……
『あっちぃぃぃぃぃぃ!』
カランカラン…
翔の叫び声と、何かが落ちた甲高い音が聞こえた。
麺を茹でるだけなのに、何やってんだ翔は?
「よいしょ…っと」
重い身体を起き上がらせて、キッチンへと向かった。
「だいじょ……」
ん?
焦げ臭くないか?
そしてフライパンから上がる煙。
「おい、翔!火を消せ!」
吹きこぼれを拭いているであろう翔に向かって叫んだ。
「え?あ、やばっ…玉子がぁぁぁ!」
「マジか、これ……」
頭を抱える翔の所に向かうと、2人で同じものを見つめる。
フライパンには真っ黒こげな得体の知れないモノ。
たぶん、翔が言ってた玉子なんだろう。
「何をどうすれば、こうなるんだ?」
「中華麺を茹でる間に、チャーハンを作ろうと思ってさ」
苦笑いを浮かべる翔。
ただでさえ不器用で料理も出来ないのに、2つ同時なんてほぼ不可能だろう。
俺は自然と溜め息が漏れた。
「だってさ、出かける前に散々雅紀と潤が料理できないってバカにしてさ……調べたら、チャーハンなら簡単にできると思って」
いつもはしっかり者で兄の俺より頼りがいの翔が小さく見える。
「それにさ……和也が締め切り前の智にぃの事を出かける時も心配してたから、いっぱい食べてもらおうと思ったんだ」
「で、やる事を逆に増やしてどうすんだよ」
焦げ付いたフライパンをシンクに置いて、水を出す。
「……ごめん」
「ほら、早く片付けて一緒に作るぞ」
落ち込む翔の髪をちょっと乱暴に撫でてやった。