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ブラコンですが、なにか?

第9章 Be loved by Jun①

「…きて」

誰かの声が聞こえる。

「和也、起きて」

「ぅ…ん」

ゆっくりと目を開けると、潤が俺の顔を覗き込んでいた。


昨日とは違って優しい笑顔。


「起きれる?」

「だぶん……うっ!」

俺の返事とは裏腹に、身体は動かした瞬間に悲鳴をあげた。

「ごめん、無理させ過ぎたな」


でしょうね。

俺は途中から意識がブラックアウトしたから、何回したのかはわからない。


「でも、誕生日だから許してね?」

首を傾げて可愛く笑っても許しません。

……とは言えない。


「ありがとう、和也」

何でお礼を言われたのかわからないけど、潤にとっていい誕生日だったみたいなら、いっか。

「今日は家事全般、よろしくね?」

「かしこまりました」


「ねぇ、にぃに達から誕生日プレゼントはもらったの?」


俺は学生だから誕生日プレゼントはあげられない。


それはにぃに達の誕生日でも一緒。


だって、お金がないし……

おこずかいも元を辿ればにぃに達のお金だから。


「うん、もらった」

「えっ?なに貰ったの?」

「それは、秘密」

「んっ!」

聞き出そうとした唇を潤が塞いだ。

「よし、行こっか?」

「わっ!」

身体とシーツの間に手を滑らせると、俺をお姫様抱っこした。

「移動の際もお申し付けください」

「よろしくお願い致します」

潤の首に腕を巻き付け、しがみ付いた。

「ほーら、姫が起きましたよ」

リビングに向かって潤が叫ぶ。

「姫じゃない!」

バタバタと脚を動かして反論する。

「うわっ、暴れるな」


「あっ!潤、ズルいぞ!」

俺を奪おうと雅にぃが手を伸ばす。


「今日の独り占めは許さん!」

どこぞの頑固おやじの様に宣言した翔にぃ。


「じゃあここは長男の俺が……」

智にぃが翔にぃと雅紀にぃを押し退ける。


「もう、危ないからみんな離れて!」


今日も俺……兄弟に愛されてます♡

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