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ブラコンですが、なにか?

第10章 Be loved by Masaki①








風呂を終え、ゴシゴシと髪をタオルで拭きながら部屋へと向かう。



雅紀から『今日は和也を休ませてあげよう』と
LINEで届き、俺たちはその提案に賛成した。


いつも家の事は和也に任せっきりだからな。


明日は、荒れに荒れまくった部屋の掃除も手伝ってもらわないといけな。


潤と待ち合わせしてご飯は済ませたけど、雅紀の事だから……と勘ぐった俺たちは、持ち帰った仕事をしたり、潤の宿題を見たりと長めに時間を過ごして帰宅した。

予想通りの真っ暗になったリビングに、俺と潤は目を合わせ溜め息をつきながらそれぞれの部屋に戻った。


雅紀、無理させてんじゃねーだろうな。


そんな事を考えなが雅紀の部屋のドアを見つめると、少しだけ開いていて光が漏れている。


「おじゃましまーす」

それらしい声は聞こえていなかったので、一応声をかけてから静かに部屋に入ると雅紀も和也もいなかった。

「あー派手にやってんな」

乱れ、そして濡れたシーツが状況を物語っていた。

「なーに、覗き見?」

「うわっ!」

後ろから雅紀の声が聞こえて、ビクッと身体が震えた。

「ちげーよ。ちゃんと声かけて入ったわ!」

「ホントにぃ?」

怪しげな目を向ける雅紀に鉄槌を下した。

「いってー!」

「それより、ちゃんと和也を休ましたのか?」

「そりゃ……ねぇ?今ベッドに連れてって、もうぐっすり夢の中だよ」


ぐっすりさせたのは雅紀だろーが。


「今日も可愛かったなぁ」

顔面が崩壊している雅紀に苦笑いを浮かべる。

「羨ましいんでしょ?」

「べーつに」


今日は可愛い和也を見られなかったってだけ。


「明日は誰が可愛い和也を見れるんだろうね?」

「雅紀じゃない事だけは確かだな」

「わかってますよーだ」

その返事とは真逆の膨れっ面の雅紀。


まぁ、その気持ちはわからなくはない。


毎日見たって飽きない和也の可愛い姿。



明日は俺が見れるかな?

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