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ブラコンですが、なにか?

第13章 Holiday of Kazunari②

学校から帰ってくると、早めに洗濯物を外から取り込む。

「智にぃ、雅紀にぃ、潤、洗濯物あったら出してねー!」

リビングから部屋に向かって大声で叫ぶ。

「もう洗濯するの?」

「ごめんね。夕方から出かけるから、早めに回しておきたくて……」

洗濯物を抱えた潤がリビングに来た。

「珍しいね、外出なんて」

洗濯物を抱えた雅にぃが驚きの声を上げる。

「だって今日、みんな夜出かけるでしょ?」

「なんだ、雅紀も潤も出かけるのか?」

溜め込んでいた大量の洗濯物を抱えた智にぃ。


仕事で部屋に籠りっきりだったからね。


「智にぃ、絵は完成したの?」

「バッチリだよ。今日、会社に持っていく」

その言葉にホッと胸を撫で下ろす。

ちょっとまぁ……色々あって、最後まで映画を見る事が出来なかったから心配だった。


って、俺が悪いんじゃない!


だって、智にぃが……


「どうしたの?顔真っ赤にしちゃって。あの日の事……思い出した?」

「ん…っ」

いつの間にか隣に立っていた智にぃが吐息交じりに耳元で囁いた。

「ナニナニ?気になるんだけど」

この状況に興味津々になった雅紀にぃが智にぃに詰め寄った。

「もうっ、早く洗濯物……持って行って!」

2人の背中を押して洗面所に向かわせる。

「和也、あの日……何があったの?」

「うわっ!」

すっかり潤の存在を忘れていた俺は、後ろから聞こえた声に驚いた。

「ねぇ……教えてよ」

「やぁ…っ」

肩に顎を乗せると耳の縁を舌がなぞる。


言えないよ。

潤とスクリーンに映る松本潤を重ねて、女優さんとのキスに嫉妬したなんて……


「言わないの?」

「あぁ…っ」

耳の中をペロッと舐められ、ダイレクトに音が鼓膜に響いて震えた。


流されちゃ……ダメだ!


「潤も……早く洗濯物を出してきて!」

身体をクルリと反転させ潤の後ろに立つと、背中を押して洗面所に向かわせた。

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