テキストサイズ

ブラコンですが、なにか?

第13章 Holiday of Kazunari②

「よし、出来た!」

最後の洗濯物を干し終えた。

「和也、LINE来てる。翔にぃから」

テーブルに置いていたスマホを雅紀にぃが持ってきてくれた。

「ありがとう」

スマホを受けとると、メッセージを確認する。


【少し早いけど出てこれる?
早めに仕事終わったから】

嬉しい言葉に俺もすぐ返信した。

【じゃあ、俺も今から出るね】


早く行かなきゃ……


俺は急ぎ足でリビングへと向かった。

「戸締まり誰がするの?」

リビングで寛ぐ智にぃと雅にぃと潤に声をかけた。

「あっ、俺が最後だから安心して」

潤が手を上げて答えた。

「それなら安心だね」

「「どういう意味だよ」」

2人のツッコミの声が重なる。

「だって……信用ならないもん」

「子どもじゃないんだから、それくらい出来るよな?」

智にぃの言葉に自信満々に頷く雅紀にぃ。


本人たちは自覚……ZEROだね。


「じゃあ、このガスの元栓を閉めてないは誰?洗面所の電気を消し忘れたのは誰?」

捲し立てるような俺の言葉に、目が完全に泳いでいる智にぃと雅紀にぃ。

「たまたま……だよな」

「うっ、うん」

「あとはよろしくね?潤」

「了解!」

慌てて動き出した2人を尻目に、俺は玄関へと向かった。

「じゃあ、行ってきまーす」

「ちょっと待って」

潤の声と共に3人が玄関に向かってくる。

「忘れ物……してるよ?」

「えっ?」

智にぃの言葉に、ズボンのポケットを押さえて確認する。


財布もあるし……スマホもある。


「忘れ物ない……んっ!」

顔を上げた瞬間、智にぃの唇が重なった。

そして次に雅紀にぃの唇が重なり、最後は潤の唇が重なった。

「な…っ」

「行ってらっしゃいのチュー忘れてるぞ」

自信満々に答える智にぃ。

「そっ、そんなのしたことないじゃん!もう……行ってきます!」

赤くなった頬を押さえながら玄関を飛び出し、待ち合わせ場所へと向かった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ