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ブラコンですが、なにか?

第3章 Kazunari's lonely day

「ぅ…ん」

カーテンの隙間から漏れる光がいつもより眩しい。


今……何時?


モゾモゾと身体を動かして、目覚ましを手に取る。



くっ、9時ぃぃぃぃぃ!


何で目覚ましが鳴らないんだよ!



俺は慌てて布団から飛び起きた。


まずは翔にぃを起こさないと……


「翔にぃ、ごめんっ!寝……」

ノックしてドアを開けるけど、翔にぃの姿はどこにもない。

部屋は相変わらず汚いけど、埋もれてしまっている感じもない。


自分で起きて、急いで仕事に行ったのかな。


次は潤。


「潤、起きて!遅刻……」

返事が聞こえないのはいつもの事。

いつものようにドアを開けたけど、ベッドには潤の姿も無かった。

辺りを見回しても鞄も無い。


なんだよ。

起きてたんなら、起こしてくれたって……



あっ!



今日は……祝日だった。



そして蘇ってくる昨日の夜の会話。


確か翔にぃは上司とゴルフ。

だから自分で目覚ましかけて起きるって言ってた。


で、潤は部活の練習試合。

キャプテン怖いから、部活が絡めば自分で早起きできる。


はぁ、良かった。

平日だったら大遅刻だよ。


ホッと胸をなでおろしリビングに向かうと、牛乳を飲んでいる雅にぃがいた。

「おはよ、雅にぃ」

「おはよ、和也」

グイッと牛乳を飲み切って振り返った。

雅にぃの服が朝のスエットから、私服に着替え終わっている。


そういえば、雅紀にぃも幼馴染の風間くんと遊ぶって昨日言ってたっけ。


智にぃも確か仕事の打ち合わせって……


「わぁぁぁぁぁ、寝坊した!」

服を慌てて着替えながら智にぃがリビングに来る。

「ちょっと、寝癖ヤバいよ」

雅にぃはシンクで手を水で濡らすと、智にぃに近づき髪を整える。


ピンポーン…


「打ち合わせのスタッフだ!じゃあ、行ってきまーす」

「俺もそろそろ行ってくるね?」

「行ってらっしゃい」

俺は智にぃと雅にぃの背中を見送った。

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