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ブラコンですが、なにか?

第3章 Kazunari's lonely day

さて……

これからどうしよっかな。


リビングを見渡しながら考える。


誰かの分を作るなら一緒に食べようと思うけど、俺だけだから食べなくてもいっか。

冷蔵庫を開け、オレンジジュースを取り出す時にチラッと目に入った玉子。


『和也、卵焼き食べたい!』


俺が冷蔵庫を開けるのを見たら、絶対に智にぃが言うんだよな。


振り返っても……そこに智にぃはいない。


パタリと冷蔵庫を閉じ、ジュースを飲み干して気合を入れる。


よし、まずは洗濯からだ。


溜まった洗濯物を入れて、スタートボタンを押す。


『ごめん、これも洗って!』


いつも洗濯機の音に気が付いて、潤が慌てて洗濯物を持ってくる。


振り返っても……そこに潤はいない。


洗濯機は止まることなく、
クルクルとスムーズに回り続ける。


よし、その間に掃除だ!


誰もいないから音を気にする必要がない。

一気に掃除機と俺が各部屋を走り回る。


「これで……終わり!」

掃除機のスイッチを切ると同時に、ピピっと洗濯が終了する音が聞こえた。

俺は休むことなく大量の洗濯物を干す。


その後、シャワーで汗をさっと流した。


あがった頃にはさすがにお腹もペコペコ。

カップ麺で簡単に昼食を済ます。


これからどうしようかな……


今更、友達に連絡して遊ぶのもあれだし、出かけるのも面倒くさい。


ゲームでもするか。


テレビの横にあるゲーム機の電源を入れ、コントローラを取るとソファーに腰かけた。

軽快な音楽とカチカチと聞こえる操作音。


『和也、俺もしたい!』


雅にぃはいつも最悪のタイミングで俺に声をかけてくる。


振り返っても……そこに雅にぃはいない。


そして悲しい音楽と共に、操作していたおじさんは死んだ。

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