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ブラコンですが、なにか?

第13章 Holiday of Kazunari②

「そろそろ、ヤバいよね?」

翔にぃの声に俺は何度も頷いた。

「俺も……ヤバい」

握られていた手が誘導されて触れたのは、スーツのズボンを押し上げるほど形を変えた翔にぃのモノ。

「ここではまずいから……行くぞ」

「ぅ…ん」

最後列に座っていた俺たちは誰にも迷惑をかけることなく映画館を出た。

上映がまだ終わっていないのでスタッフも立っておらず、少し前屈みに歩く俺たちを不審がる人はいなかった。

そして翔にぃに手を引かれ、そのままトイレへ。


あれ?

前にも確か今と同じような状況があったような……


いやいや、ないない……絶対ない。


だって、翔にぃだよ?


って……さっきまで智にぃ以上に凄い事してるじゃん!


この状況は、ヤバすぎる。


「ちょっと、翔にぃ……うわっ!」

握られていた手が離れると、背中を思いっきり押され目の前の個室に詰め込まれる。


「待って!」


カチャ…


俺の声と個室の鍵が閉まる音が重なった。


「翔にぃ……んっ!」

目が合った瞬間、勢いよく重なった唇。

開いた隙間から翔にぃの舌が入って、逃げようとする俺の舌を絡めとる。


ダメだ……

また、流されてしまいそう。


あっという間に翔にぃの舌に翻弄され、頭がボーっとして思考能力を奪っていく。

「気持ちよかった?」

唇が離れると、俺の髪を絡めつつ優しく頭を撫でてくれる。


さっきまでの激しいキスが嘘みたい。


「う…ん」

心地よさに頭を翔にぃの手に預ける。

「この前の智にぃの時よりも?」

「…えっ?」

その言葉に力が抜けていた身体がピクっと震えた。

そしてゆっくりと首を動かして翔にぃに目を向けると、口角を上げてニヤリと笑っていた。


それは智にぃとの出来事を知っている証拠。


「答えは……和也の身体に聞こうかな?」

俺の顎をグッと掴むと、潤っていた唇を指でなぞった。

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