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もう一度、君に会えたら

第3章 取引

「なにそれー」

さすがにセンパイもあきれたか?
だけどもう、それでもいいと思った。

センパイに好きになってもらえないのなら、嫌われてしまえばいいと。

「さ。夜は長いですよ?
おなか、すきませんか?
なにか、ルームサービスとりましょう」

僕はパンフを見ながら、プッシュホンを押す。

「慣れてるのね」

強引な僕に、ちょっとムッとしているのがわかる。

「慣れてなんかないです。
ラブホなんて入ったのも初めてですよ。
僕、女性とつきあったことありませんから」

お願いだから、
僕をそんなふうにみないでください。

口実を作って無理矢理連れこんで、女性を食べあるく。
僕は、そんな遊び人じゃない。

精一杯、カッコつけてるんです。
センパイの前、ですから…。

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