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もう一度、君に会えたら

第4章 彼氏

彼女はスッキリと笑うかと思ったのに、
ポタポタと涙をこぼした。

「好きだったんだね」

彼女がほかの男のために流す涙。
ハンカチを渡すと、「ありがとう」と受けとってぬぐう。

「もう、わからない。。
でも、優しいときもあったのよ。
楽しいときも…」

「だけど、雪ちゃんを泣かせた。
許せば、また繰りかえすよ」

ハンカチに顔をうずめる彼女の、頭を撫でる。
裏切られたのに、嫌いになりきれない彼女がいとおしくて、安心させたくて。
僕は、そっとそっと抱きしめた。

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