ここから始まる物語
第15章 恨みと恐れと自覚
「なんで、そんなに難しい顔をしているの?」
窓から街を眺めていると、後ろからレナに話しかけれました。
「ああ、レナ」
すでに二人は仲直りしています。一度喧嘩をして仲直りしたおかげか、初めて遭った時よりも親しくなっているような気がします。が、それでも、ピスティにはどうしても言い出せないことがありました。でも、今なら言えそうな気がします。
「レナ、聴きたいことがあるんだ」
「なあに?」
「魔法のことなんだ。いったい、魔法って、どんな力なんだ? 僕にはよくわからない。詳しく聴かせてくれないか。どうしてレナのようにすごい力の持ち主を、クリシーは殺そうとしたんだろう。どうしてきみが、世界を滅ぼすことになるんだろう。僕には、いくら考えてもわからないんだ」
「そうね――」
レナはくるりと黒目を動かして、ピスティの隣りへ来ると、並んで窓から街を眺めました。
「そんなに難しい話じゃないわ。魔法っていうのは、願ったことが叶う力のことよ」
「願ったことが、叶う?」
「そうよ。今までのことを思い出してみて。私が初めて魔法を使ったのは、ピスティが崖から落ちてきた時よ」
その時のことはよく覚えています。あの高さの崖から落ちたら、間違いなく、命を落としていたでしょう。それが助かったのです。どうして助かったのか、魔法という不思議な力でも持ち出さなければ説明がつきません。
「崖から落ちた時、ピスティは助かりたいって思ったでしょう」
「もちろんさ」
死んでもいい、なんて思うはずがありません。もっとも、助かりたいと思ってすぐ、ピスティは気を失ってしまったのですが・・・・・・。
「ピスティが、助かりたいと思った。だから私の魔法の力で、助けてあげることができたのよ」
窓から街を眺めていると、後ろからレナに話しかけれました。
「ああ、レナ」
すでに二人は仲直りしています。一度喧嘩をして仲直りしたおかげか、初めて遭った時よりも親しくなっているような気がします。が、それでも、ピスティにはどうしても言い出せないことがありました。でも、今なら言えそうな気がします。
「レナ、聴きたいことがあるんだ」
「なあに?」
「魔法のことなんだ。いったい、魔法って、どんな力なんだ? 僕にはよくわからない。詳しく聴かせてくれないか。どうしてレナのようにすごい力の持ち主を、クリシーは殺そうとしたんだろう。どうしてきみが、世界を滅ぼすことになるんだろう。僕には、いくら考えてもわからないんだ」
「そうね――」
レナはくるりと黒目を動かして、ピスティの隣りへ来ると、並んで窓から街を眺めました。
「そんなに難しい話じゃないわ。魔法っていうのは、願ったことが叶う力のことよ」
「願ったことが、叶う?」
「そうよ。今までのことを思い出してみて。私が初めて魔法を使ったのは、ピスティが崖から落ちてきた時よ」
その時のことはよく覚えています。あの高さの崖から落ちたら、間違いなく、命を落としていたでしょう。それが助かったのです。どうして助かったのか、魔法という不思議な力でも持ち出さなければ説明がつきません。
「崖から落ちた時、ピスティは助かりたいって思ったでしょう」
「もちろんさ」
死んでもいい、なんて思うはずがありません。もっとも、助かりたいと思ってすぐ、ピスティは気を失ってしまったのですが・・・・・・。
「ピスティが、助かりたいと思った。だから私の魔法の力で、助けてあげることができたのよ」