ここから始まる物語
第3章 山賊退治
それに続いて、フウとゲンとピスティも料理を囲みます。
村人たちは、村が助かったことがよほど嬉しかったのでしょう。踊ったり歌ったりしています。
「それにしても、どうしてあんなに大勢の山賊が集まったのだろう」
鶏肉の骨を握ったピスティは、ぽつりと疑問を口にしました。山賊があれほど大勢集まることなど、これまでにはありませんでした。
「今は乱世ですからのう」
酒を煽ったゲンが、しわがれた声で答えました。
「いくさが起きれば貧しい者が増えまする。財を失い、土地を追われた者は、山賊にでもならなければ生きられないのです。そう考えると、彼らもまた、哀れな者たちと言えましょう」
「そんなものか」
ピスティは、どことなく悲しい気持ちになりました。城の中で爪弾きにされている自分も、一歩間違えば山賊のような悪者になるかもしれないと思ったのです。
しかし、悲しみに沈む間もなく、ゲンが陽気に声をかけてきました。
「なあに難しいこと話してるだよ。もっと飲んで喰うだよ」
「そうだな」
一瞬だけ胸をよぎった悲しさも、そのひと言で吹っ飛んでしまいました。
踊っていた村人たちが、ピスティたちを誘います。ピスティもライもゲンも、村人と一緒になって踊りました。
ピスティたちが踊りに加わると、村人たちの騒ぎはどっと大きくなりました。
ただフウだけは、仮面の下に表情を隠して、ひとりで盃を傾けています。
※
この時、ピスティはまだ知りませんでした。
今回の山賊退治が、アウィーコート王国存亡の危機に繋がってしまうことを・・・・・・。
※
踊り疲れて席に戻ったピスティのもとへ、ひとりの兵士がやってきて、地面に片膝をつきました。
「ピスティさま。王さまがお呼びです。すぐに城へお戻りを」
兵士の顔つきが険しいところを見ると、きっとろくでもない用事に違いありません。
「わかった」
ため息混じりに、ピスティは答えました。
村人たちは、村が助かったことがよほど嬉しかったのでしょう。踊ったり歌ったりしています。
「それにしても、どうしてあんなに大勢の山賊が集まったのだろう」
鶏肉の骨を握ったピスティは、ぽつりと疑問を口にしました。山賊があれほど大勢集まることなど、これまでにはありませんでした。
「今は乱世ですからのう」
酒を煽ったゲンが、しわがれた声で答えました。
「いくさが起きれば貧しい者が増えまする。財を失い、土地を追われた者は、山賊にでもならなければ生きられないのです。そう考えると、彼らもまた、哀れな者たちと言えましょう」
「そんなものか」
ピスティは、どことなく悲しい気持ちになりました。城の中で爪弾きにされている自分も、一歩間違えば山賊のような悪者になるかもしれないと思ったのです。
しかし、悲しみに沈む間もなく、ゲンが陽気に声をかけてきました。
「なあに難しいこと話してるだよ。もっと飲んで喰うだよ」
「そうだな」
一瞬だけ胸をよぎった悲しさも、そのひと言で吹っ飛んでしまいました。
踊っていた村人たちが、ピスティたちを誘います。ピスティもライもゲンも、村人と一緒になって踊りました。
ピスティたちが踊りに加わると、村人たちの騒ぎはどっと大きくなりました。
ただフウだけは、仮面の下に表情を隠して、ひとりで盃を傾けています。
※
この時、ピスティはまだ知りませんでした。
今回の山賊退治が、アウィーコート王国存亡の危機に繋がってしまうことを・・・・・・。
※
踊り疲れて席に戻ったピスティのもとへ、ひとりの兵士がやってきて、地面に片膝をつきました。
「ピスティさま。王さまがお呼びです。すぐに城へお戻りを」
兵士の顔つきが険しいところを見ると、きっとろくでもない用事に違いありません。
「わかった」
ため息混じりに、ピスティは答えました。