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第3章 山賊退治

「ピスティさまはお優しいのう」
 ゲンは目許をおさえます。
「たしかに、ピスティさまの言う通りだだよ。ゲンじいさん、あんたのおかげでうまくいっただよ」
 ライは物事を引きずりません。過ぎたことをいつまでも恨みがましく言うことはありません。心がおおらかなのは、身体が大きいからでもあるのでしょうか。
「結果良好」
 フウもそうです。どんなことがあっても、物事がうまくいけば、少しくらいの欠点を追求することはありません。
 こうして、ピスティの山賊退治は大成功したのでした。
 怪力のライ。
 神速のフウ。
 知略のゲン。
 ピスティがどんなことにも挑戦できるのは、自分が活発なだけではなく、頼りになる仲間の存在があるからでした。
「みんな、いつもありがとう。さあ、帰ろう」
 ピスティは、三人の仲間に感謝を伝えると、山から降りたのでした。

 ※

 村へ戻ると、村人たちは大喜びしてピスティたちを迎えてくれました。
「助かりましただ。これもピスティさまとお仲間のおかげですだよ」
「お礼にご馳走いたしますだ。どうかたくさん食べていってくだせえ」
 教会の前には、すでにたくさんの料理と飲み物が用意されていました。
「おらあ、腹がすいただよ!」
 食いしん坊のライが、料理を見るなりすっ飛んでいきました。

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