ここから始まる物語
第18章 団結
ピスティは丘の上へ来ていました。
丘の上には、木が一本だけ生えています。その木の根元に、ピスティは座っていました。
夕日に照らされて、丘も街もオレンジ一色に染まっています。
――誰もいなくなっちまった。
ピスティは膝を抱えて背中を丸めました。
レナが連れ去られたあと、ピスティは仲間たちと大喧嘩をしてしまったのです。
どうしてもレナを助けたいと願うピスティに、ライが強く反対したのでした。その時に、ピスティはつい言ってはいけないことをライに言ってしまったのです。
「おまえみたいに図体ばかりが大きくて、ろくにものも考えられないようなうどの大木に、恋する気持ちが分かるものか!」
ライも、これには怒りました。
「うどの大木ってなんだ! おらあは、将来、ピスティさまをお守りするために今から体を鍛えているだよ! それをうどの大木なんて言われたら、おらあだって腹が立つだぞ!」
「僕に向かって、なんて態度だ! 僕は王だぞ! おまえを処刑することだってできるんだぞ! 護衛なんて、おまえじゃなくていいんだ。もっと優秀な奴だっているんだからな!」
もちろん、本気でそんなことを思っていたわけではありません。ライは思いやりがあるし、ライのほかに優秀な護衛なんているはずがありません。何より、今までずっと友達として付き合ってきたのです。ライでなくてもいい、なんてことがあるはずがありません。ライのかわりなんていないのです。
だからこそ――。
そこまでピスティを理解しているライだからこそ――ピスティも甘えてしまったのです。何を言っても許してくれると・・・・・・。反対に、そこまで理解してくれているのに、レナを救いたい気持ちだけが分かってもらえないことに、怒りを感じてたのです。
しかし、ピスティの甘えは、甘えとしては許してもらえなかったのです。
丘の上には、木が一本だけ生えています。その木の根元に、ピスティは座っていました。
夕日に照らされて、丘も街もオレンジ一色に染まっています。
――誰もいなくなっちまった。
ピスティは膝を抱えて背中を丸めました。
レナが連れ去られたあと、ピスティは仲間たちと大喧嘩をしてしまったのです。
どうしてもレナを助けたいと願うピスティに、ライが強く反対したのでした。その時に、ピスティはつい言ってはいけないことをライに言ってしまったのです。
「おまえみたいに図体ばかりが大きくて、ろくにものも考えられないようなうどの大木に、恋する気持ちが分かるものか!」
ライも、これには怒りました。
「うどの大木ってなんだ! おらあは、将来、ピスティさまをお守りするために今から体を鍛えているだよ! それをうどの大木なんて言われたら、おらあだって腹が立つだぞ!」
「僕に向かって、なんて態度だ! 僕は王だぞ! おまえを処刑することだってできるんだぞ! 護衛なんて、おまえじゃなくていいんだ。もっと優秀な奴だっているんだからな!」
もちろん、本気でそんなことを思っていたわけではありません。ライは思いやりがあるし、ライのほかに優秀な護衛なんているはずがありません。何より、今までずっと友達として付き合ってきたのです。ライでなくてもいい、なんてことがあるはずがありません。ライのかわりなんていないのです。
だからこそ――。
そこまでピスティを理解しているライだからこそ――ピスティも甘えてしまったのです。何を言っても許してくれると・・・・・・。反対に、そこまで理解してくれているのに、レナを救いたい気持ちだけが分かってもらえないことに、怒りを感じてたのです。
しかし、ピスティの甘えは、甘えとしては許してもらえなかったのです。