ここから始まる物語
第18章 団結
「処刑したければすればいいだよ! おらは、もうピスティさまなんて――いや、ピスティなんて知らねえだ!」
ライは、わざわざ言い直してまでピスティを呼び捨てにして、城から出ていってしまったのです。
甘えたい気持ちを無視されたピスティは、それ以上、何も言うことができませんでした。
ピスティは黙りこくったあと、力なく言いました。
「フウもゲンも、僕が嫌なら立ち去っていいよ」
「非難轟々」
フウはすかさず、つむじ風を起こして、その場から消え去ってしまいました。
「ピスティさま。すでにご忠告申し上げたはずですぞ。王という身分をかさに着てはならぬ、と。それをお守りいただけないなら、儂もこれ以上はお仕えすることができませぬ。友としても、今は認められませぬな。私は、また旅にでも出ようかと思いまする」
そう言って、ゲンもピスティのもとを去ってしまったのです。
もう、ピスティには何も残っていませんでした。
まだ王ではありますが、ピスティが戦争の原因を作ったことを知った民衆たちは、もうピスティを尊敬してはくれないでしょう。レナは、フォビスが率いる集団に連れ去られてしまいました。そして、いつもピスティを支えてくれていた仲間も、今、みんなピスティの元を去ってしまいました。
ピスティは、身分も友も妻も、何もかもを失ってしまったのです。
身体の中にあるのは、もう空気だけ。そんな気分になって、ピスティは城を出て、この丘まで来たのです。ここを目指して来たわけではありません。ただふらふらと歩いているうちに、ここへたどり着いたのです。
そして、とうとう歩く力も失って、木の根元に腰を下ろしたのでした。
ライは、わざわざ言い直してまでピスティを呼び捨てにして、城から出ていってしまったのです。
甘えたい気持ちを無視されたピスティは、それ以上、何も言うことができませんでした。
ピスティは黙りこくったあと、力なく言いました。
「フウもゲンも、僕が嫌なら立ち去っていいよ」
「非難轟々」
フウはすかさず、つむじ風を起こして、その場から消え去ってしまいました。
「ピスティさま。すでにご忠告申し上げたはずですぞ。王という身分をかさに着てはならぬ、と。それをお守りいただけないなら、儂もこれ以上はお仕えすることができませぬ。友としても、今は認められませぬな。私は、また旅にでも出ようかと思いまする」
そう言って、ゲンもピスティのもとを去ってしまったのです。
もう、ピスティには何も残っていませんでした。
まだ王ではありますが、ピスティが戦争の原因を作ったことを知った民衆たちは、もうピスティを尊敬してはくれないでしょう。レナは、フォビスが率いる集団に連れ去られてしまいました。そして、いつもピスティを支えてくれていた仲間も、今、みんなピスティの元を去ってしまいました。
ピスティは、身分も友も妻も、何もかもを失ってしまったのです。
身体の中にあるのは、もう空気だけ。そんな気分になって、ピスティは城を出て、この丘まで来たのです。ここを目指して来たわけではありません。ただふらふらと歩いているうちに、ここへたどり着いたのです。
そして、とうとう歩く力も失って、木の根元に腰を下ろしたのでした。