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ここから始まる物語

第18章 団結

 ところが、ピスティがいくら願っても、何も変わりませんでした。レナが目の前に現れるのでもなければ、居場所がわかるわけでもありません。
 いったい、どういうことなのでしょうか。どうして、今に限ってレナは願いを叶えてくれないのでしょうか。
 ピスティは必死で祈りましたが、ついに気を失ってしまいました。

 ※

 この時、別の場所で、願いを叶えた者たちがいました。
 クリシーとコーリーの親子です。
 森の中にある祠の前で祈りを捧げていた二人の前に、とても美しい軍隊が姿をあらわしたのです。金色の鎧をつけて金色の兜を被り、金色の槍を持った軍隊です。そしてどの兵士も、筋骨たくましい体つきをしています。
「神よ――」
「おお、神よ――」
 二人は感激のあまり、涙さえ流したのでした。
 そう、二人の前に現れたのは、神だったのです。神といえば、貧相な体つきの兵士が、ぼろぼろの鎧と武器を身につけただけのものでしたが、それが今はこれほどまでに立派な軍隊になっているのでした。
「これで悪しき魔法使いを葬ることができる」
 クリシーは両手を広げて、目の前に揃っている黄金の軍隊に向かって叫びました。
「怠惰と空虚の魂を滅したまえ」
 その言葉に、軍隊を率いる立場にいる、将軍らしい神が、一言、答えました。
「行かん」
 同時に、兵士たちは足並みを揃えて街へ向かって歩き始めたのでした。

 ※

 暴徒による破壊がようやくおさまった街に向かって、今度は神の軍隊が進撃していきます。どうして、神はこれほどまでに見違える姿へ変わったのでしょうか。
 そして、そして、レナの運命は・・・・・・?

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