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ここから始まる物語

第19章 金色の軍隊

「お前たちは!」
 見間違えるはずがありません。それは、クリシーとコーリーでした。
「お前たち! よくも僕とレナを騙してくれたな!」
 騙されて、レナと喧嘩をさせられたことを思うと、いまだに怒りが湧いてきます。しかもレナは、彼らに捕まっているのです。ピスティは身体を震わせながら、腰の剣に手をかけました。が、やはり痛みで思うように動けません。仲間たちがピスティを諌めると同時に、クリシーもピスティに脅しをかけました。
「あまり逆らわない方が身のためです、王さま」
「なんだと!」
「私たちは、レナさまの身をあずかっているのです」
 クリシーがそう言うのに合わせるかのように、さっきまで馬に乗せられていたレナが、前に引きずり出されてきました。
「レナ!」
 叫びますが、レナは悲しそうな目でこちらを見るばかり。どうして何も言わないのでしょう。
「レナを放せ!」
 ピスティは怒鳴りますが、相手が従わないことはわかっていました。かといって、アウィーコート軍の攻撃が、彼らにはまったく効かないことも、すでにわかっています。
「ピスティさま」
 しかしクリシーは、今度は脅すのではなく、切実に訴えるかのように、ピスティの名を呼びました。
「魔法使いとは何者なのか、そして神とはなんなのか、その説明を、どうかお聞きください」
 恭しい態度ですが、こちらが逆らえないことを見越してのことでしょう。ピスティも、ここで力に訴えるわけにはいかず、クリシーの頼みに頷きました。
「良いだろう。聴いてやる。話せ」

 ※

 いよいよ、魔法使いと神の秘密が明かされます。いったい魔法使いとは、そして神とは、なんなのでしょうか。

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