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第4章 確執

「黙れ!」
 ピスティは黙っていられなくて怒鳴りました。
 しかし、ブロミアもフォビスも、ピスティの怒りなど気にしない様子で会話を続けました。
「儀式をやめるわけにはいかん。わが王家では、子供に兄弟がいた場合は、儀式で跡継ぎを決めることが定められている。それに、儀式はただ跡継ぎを選ぶだけではない。その儀式によって、後継者に王の素質があるかを見極める意味もあるのだ」
 それには、フォビスも返す言葉が見つからないようでした。ただ頭をさげたきり、なにも言いません。
「儀式は明日だ。二人とも、わだかまりの決着は儀式でつけるのだ」
「かしこまりました、父上。では、このフォビスメノス、儀式では鮮やかな成果を出してご覧にいれましょう」
 フォビスは余裕たっぷりに返事をすると、横目にピスティに視線を寄越しました。
 ピスティも、その視線を受けて、力いっぱい睨み返しました。

 ※

 さて、跡継ぎを決める儀式では何がおこなわれるのでしょう。
 そして、二人のどちらが、次の王に選ばれるのでしょうか。

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