ここから始まる物語
第4章 確執
「くそ・・・・・・」
行き場を失った怒りと悔しさが、胸の中で暴れて息が詰まります。
「そこまでだ」
ベッドの上から、ブロミアが言いました。
「ふたりとも、剣をおさめろ」
「はい、父上」
フォビスは素早く剣を鞘に差し込むと、その場に膝をついてかしこまりました。まるで、よくしつけられた犬のようです。
――犬め。
ピスティは心の中で毒づきながらも、フォビスと横に並ぶかたちで跪きました。
ベッドに向かって頭をさげる二人に対して、ブロミアは言いました。
「大事な話がある。おまえたちを呼んだのは、そのためだ」
「なんでしょう、父上」
フォビスは、跪いたまま一歩進みます。
「それはな――」
跡継ぎのことだ――とブロミアは言いました。
「跡継ぎですって」
「そうだ。儂も、もう長くはない」
ベッドに横たわったまま、ブロミアは苦しそうに咳き込みます。
「だから、後継者を決めるための儀式をおこなうことに決めたのだ」
「父上、後継者なら、このフォビスメノスにおまかせください」
フォビスは、自分の胸を包むように左腕を曲げました。そして、
「こんな癇癪持ちを王にしたら、この国は滅びてしまいます」
フォビスは、ピスティに人差し指を突きつけたのでした。
行き場を失った怒りと悔しさが、胸の中で暴れて息が詰まります。
「そこまでだ」
ベッドの上から、ブロミアが言いました。
「ふたりとも、剣をおさめろ」
「はい、父上」
フォビスは素早く剣を鞘に差し込むと、その場に膝をついてかしこまりました。まるで、よくしつけられた犬のようです。
――犬め。
ピスティは心の中で毒づきながらも、フォビスと横に並ぶかたちで跪きました。
ベッドに向かって頭をさげる二人に対して、ブロミアは言いました。
「大事な話がある。おまえたちを呼んだのは、そのためだ」
「なんでしょう、父上」
フォビスは、跪いたまま一歩進みます。
「それはな――」
跡継ぎのことだ――とブロミアは言いました。
「跡継ぎですって」
「そうだ。儂も、もう長くはない」
ベッドに横たわったまま、ブロミアは苦しそうに咳き込みます。
「だから、後継者を決めるための儀式をおこなうことに決めたのだ」
「父上、後継者なら、このフォビスメノスにおまかせください」
フォビスは、自分の胸を包むように左腕を曲げました。そして、
「こんな癇癪持ちを王にしたら、この国は滅びてしまいます」
フォビスは、ピスティに人差し指を突きつけたのでした。