ここから始まる物語
第24章 ここから始まる物語
「それは、そうよ。だって――」
「僕はちっとも落ち込んでなんかいないよ」
レナの言いたいことは聞かなくてもわかっています。だから、ピスティはレナの言葉を途中で遮ったのでした。
「どうして? なんで、そんなに平気でいられるの?」
レナは首をかしげています。
「平気だって? 僕はぜんぜん、平気なんかないよ。僕はね――」
わくわくしているんだよ――とピスティは言いました。
「わくわく?」
「そうさ。だって、これからどうなるかなんて、今はわからない。つまり、何が起こる変わらないってことだよ。それって、すごく楽しみなことじゃないかい?」
レナは、くすりと笑いました。
「まったく、ピスティはいつだって元気なんだから」
しかし、そんなレナの表情は、まるで、本当はピスティも不安で不安で仕方がないことを見透かしているかのようでした。
ピスティは、どことなく、くすぐったい気持ちを抑えるために言いました。
「もしもこれが物語なら、僕たちの未来には必ず困難が待っているよ。物語の主人公は、困難に立ち向かう宿命を負っているからね」
「そうね」
レナは苦笑いを浮かべています。
「そして、結末がどうなるかもわからない。もしかしたら、僕たちの物語は、悲しい結末になるかもしれない」
「そうね」
「でも確実に言えることがある」
「なに?」
レナは、目を丸くしてピスティを見ました。その瞳を、ピスティも見つめます。
「僕はちっとも落ち込んでなんかいないよ」
レナの言いたいことは聞かなくてもわかっています。だから、ピスティはレナの言葉を途中で遮ったのでした。
「どうして? なんで、そんなに平気でいられるの?」
レナは首をかしげています。
「平気だって? 僕はぜんぜん、平気なんかないよ。僕はね――」
わくわくしているんだよ――とピスティは言いました。
「わくわく?」
「そうさ。だって、これからどうなるかなんて、今はわからない。つまり、何が起こる変わらないってことだよ。それって、すごく楽しみなことじゃないかい?」
レナは、くすりと笑いました。
「まったく、ピスティはいつだって元気なんだから」
しかし、そんなレナの表情は、まるで、本当はピスティも不安で不安で仕方がないことを見透かしているかのようでした。
ピスティは、どことなく、くすぐったい気持ちを抑えるために言いました。
「もしもこれが物語なら、僕たちの未来には必ず困難が待っているよ。物語の主人公は、困難に立ち向かう宿命を負っているからね」
「そうね」
レナは苦笑いを浮かべています。
「そして、結末がどうなるかもわからない。もしかしたら、僕たちの物語は、悲しい結末になるかもしれない」
「そうね」
「でも確実に言えることがある」
「なに?」
レナは、目を丸くしてピスティを見ました。その瞳を、ピスティも見つめます。