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ここから始まる物語

第6章 出逢い

「嘘をつけ! お前らが神なものか!」
 ピスティは、相手がいつ襲ってきてもおかしくないと見て、剣を抜いて構えました。
「嘘ではありませんのですわ。わしらは神。そしてわしは、神々のおさでセオスと申しますじゃ」
「ばかな。神だというなら、その証拠を見せてみろ!」
 ピスティは、じりっと一歩うしろへさがりました。なぜか、剣を握る手が震えます。
「証拠と言われましても、そんなものはありませんですじゃ。だけど、これは神である我々から、人間であるそなたへの命令ですじゃ。その娘ごを――」
 セオスは剣を前に突き出して、ピスティの背後に隠れているレナを示しました。
「――わしらに渡していただきたい!」
「なんだと! どうする気だ」
「その娘は悪い女です。言うまでもなく――」
 殺すのですわ――とセオスは言いました。
「そんなこと、させるものか!」
 ピスティはいよいよ戦いになると見て、剣を握る手に力を込めました。

 ※

 素性の知れない少女、レナ。彼女との出逢いが、ピスティの、そしてアウィーコート王国の運命を大きく変えるのですが、それはまだ先の話。
 いったい、レナは何者なのでしょうか。そして神を名乗る集団は、本当に神なのでしょうか。

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