ここから始まる物語
第3章 山賊退治
作戦は整いました。
あとは、やってみるだけです。
ティモナスどもが集まっているという山を、ピスティは登っていきました。山道は狭くて石ころだらけで、とても歩きやすいとはいえません。それでも、草木が生い茂っている薮をかき分けながら進むよりは、よほど楽です。
やがて、坂の上から騒がしい声が聞こえてきました。きっと、ディモナスの群れに近づいたのでしょう。
ピスティは、近くにある木へするすると登ると、太めの枝にしゃがみ込み、葉っぱの間から様子をうかがいました。
すると、どうでしょう。
坂道を登りきったあたりに、鎧を着た男たちが集まっているではありませんか。
――あれはディモナスなんかじゃないな。
人間です。汗でくしゃくしゃになっている髪や髭を見ると、身だしなみなんか気にしていない様子。きっと山賊です。村人の誰かが、あの山賊たちをディモナスと勘違いしたのでしょう。
――相手が人間なら怖がることなんてないや。
気を引き締めていたピスティの胸に、場違いな安心が広がっていきます。
ピスティは木の枝から飛び降りました。
普段から、武術の指南役に手ほどきを受けているので、ちょっと高いところから飛び降りるくらいは平気です。
ピスティは音もなく着地しました。もちろん体勢を崩すようなことはありません。そして、声を張りあげて山賊どもを馬鹿にしました。
「おい馬鹿者ども! いくら雁首を揃えたところで意味がないぞ! 寄ってたかって俺ひとりを捕まえることも出来ないんだろ。汚くて臭い猪どもめ、やーい!」
そして最後に、尻を叩いてみせました。
山賊どもは、腹を立てた様子。互いに顔を見合わせたかと思うと、声もあげずに猛然と向かってきました。
あとは、やってみるだけです。
ティモナスどもが集まっているという山を、ピスティは登っていきました。山道は狭くて石ころだらけで、とても歩きやすいとはいえません。それでも、草木が生い茂っている薮をかき分けながら進むよりは、よほど楽です。
やがて、坂の上から騒がしい声が聞こえてきました。きっと、ディモナスの群れに近づいたのでしょう。
ピスティは、近くにある木へするすると登ると、太めの枝にしゃがみ込み、葉っぱの間から様子をうかがいました。
すると、どうでしょう。
坂道を登りきったあたりに、鎧を着た男たちが集まっているではありませんか。
――あれはディモナスなんかじゃないな。
人間です。汗でくしゃくしゃになっている髪や髭を見ると、身だしなみなんか気にしていない様子。きっと山賊です。村人の誰かが、あの山賊たちをディモナスと勘違いしたのでしょう。
――相手が人間なら怖がることなんてないや。
気を引き締めていたピスティの胸に、場違いな安心が広がっていきます。
ピスティは木の枝から飛び降りました。
普段から、武術の指南役に手ほどきを受けているので、ちょっと高いところから飛び降りるくらいは平気です。
ピスティは音もなく着地しました。もちろん体勢を崩すようなことはありません。そして、声を張りあげて山賊どもを馬鹿にしました。
「おい馬鹿者ども! いくら雁首を揃えたところで意味がないぞ! 寄ってたかって俺ひとりを捕まえることも出来ないんだろ。汚くて臭い猪どもめ、やーい!」
そして最後に、尻を叩いてみせました。
山賊どもは、腹を立てた様子。互いに顔を見合わせたかと思うと、声もあげずに猛然と向かってきました。