ここから始まる物語
第3章 山賊退治
ピスティは、今来た道を全力で駆け戻ります。後ろからは山賊の群れ。ちょっとでも足を緩めれば、すぐに追いつかれてしまいそうな勢いです。
やがて、道端に木の枝に、ペンダントがぶら下がっているのが見えてきました。ピスティはそれを横目に見て、さらに坂道を駆け降ります。ペンダントのぶら下がっていた木から十歩ほど駆け抜けたあたりで、ピスティはおもむろに体を反転させると、剣を抜き放ちました。山賊たちに、真っ向から挑む構えです。
「来い! 不届き者ども!」
山賊どもは、黙ったまま、ぐんぐんと距離を縮めてきます。
ピスティは剣を霞に構えました。その時です。
地面の中から、縄が飛び出しました。
それは、あらかじめ用意してあった罠でした。
ペンダントをかけてあった木は、この罠が仕掛けてある場所の目印だったのです。その木の根元に縄を括りつけておいて、道を挟んで反対側の薮に隠れていた仲間の一人が、縄の先を握って待ち構えていたのです。
その縄を引っ張ったのだから、山賊たちにとってはたまりません。
ぴんと張られた縄に、先頭を走っていた山賊がつまづいて転んでしまいました。後ろから押し寄せる山賊も、先に転んだ仲間につまづいて、どどっと転びます。
細い山道です。先頭がもたつくと、その後ろに続く者は進めなくなってしまいます。
反撃に出るなら今です。
「来い! お前たち!」
ピスティが呼ぶと、道の両脇から、一人ずつ仲間が飛び出して来ました。
左の薮から出てきたのは、背の高い、細身の男でした。
男は、黒い布で全身を包んでいます。いつも白い仮面で顔を隠しているので、正体がわかりません。それに言葉も少ないので、何を考えているのか、ちっともわかりません。それでいながら、ピスティの言いたいこともやりたいこともお見通しのようで、いつも先回りするかのように手助けしてくれます。
彼の名前はフウ。
素早い動きが彼の武器です。
さっき縄を引っ張ったのも、フウでした。
やがて、道端に木の枝に、ペンダントがぶら下がっているのが見えてきました。ピスティはそれを横目に見て、さらに坂道を駆け降ります。ペンダントのぶら下がっていた木から十歩ほど駆け抜けたあたりで、ピスティはおもむろに体を反転させると、剣を抜き放ちました。山賊たちに、真っ向から挑む構えです。
「来い! 不届き者ども!」
山賊どもは、黙ったまま、ぐんぐんと距離を縮めてきます。
ピスティは剣を霞に構えました。その時です。
地面の中から、縄が飛び出しました。
それは、あらかじめ用意してあった罠でした。
ペンダントをかけてあった木は、この罠が仕掛けてある場所の目印だったのです。その木の根元に縄を括りつけておいて、道を挟んで反対側の薮に隠れていた仲間の一人が、縄の先を握って待ち構えていたのです。
その縄を引っ張ったのだから、山賊たちにとってはたまりません。
ぴんと張られた縄に、先頭を走っていた山賊がつまづいて転んでしまいました。後ろから押し寄せる山賊も、先に転んだ仲間につまづいて、どどっと転びます。
細い山道です。先頭がもたつくと、その後ろに続く者は進めなくなってしまいます。
反撃に出るなら今です。
「来い! お前たち!」
ピスティが呼ぶと、道の両脇から、一人ずつ仲間が飛び出して来ました。
左の薮から出てきたのは、背の高い、細身の男でした。
男は、黒い布で全身を包んでいます。いつも白い仮面で顔を隠しているので、正体がわかりません。それに言葉も少ないので、何を考えているのか、ちっともわかりません。それでいながら、ピスティの言いたいこともやりたいこともお見通しのようで、いつも先回りするかのように手助けしてくれます。
彼の名前はフウ。
素早い動きが彼の武器です。
さっき縄を引っ張ったのも、フウでした。