❇️片暉の残照❇️
第9章 城下町と嫉妬の炎
「そうでした!新種のハーブ、ザジの手紙を見ていてもたってもいられず来てしまいました!」
リンデル所長は嬉しそうにピースサインを私に見せた。
「珍しいニホノ領で発見されたハーブです!」
ニホノ領はゴルドガ国内ではあるが船でしか行くことの出来ない離れた孤島である。
独自の文化があり、陸続きとなっている第4領土とは異なり独特な領土と勉強した。
「ニホノ領は全面海で囲まれた島でしたよね?気候も違い――――そこで発見されたハーブをここで育て研究するのは…難しいのでは?」
「ええ――――ですから、少しの間ニホノ領の研究者もこちらに滞在することとなりました!いや~…文化の違いにてんてこ舞いです!」
「――――てんてこ舞い…ですか」
「しかも、ニホノ公爵家の三男が研究者として来ているんだ…所長が緊張とストレスで干からびそうだ」
ザジがコソッと耳打ちする…と、「コホン」と、キロが咳払いする。
「こら、ザジ――――お嬢様と距離が近いですよ」
私的には気にしてないんですけど……キロの目が怖い~!
「フフフ、ザジ…気にしないで」