❇️片暉の残照❇️
第9章 城下町と嫉妬の炎
「テイス様――――」
馬車を降りると元気な声で駆け寄るザジの姿が飛び込んできた!
「ザジ!元気だった?」
ザジとは植物のことであれから何度も手紙のやり取りをしている、この間見習いから正式に研究所職員の職になったと言う。
「うわぁ!ザジが白衣を着てる!あれ?背も伸びた?」
「ああ!俺は成長期だからな!――――って、テイス様は…お嬢様って格好だなぁ」
「あ――――…ここに来るから…汚れてもいい服装で来たかったんだけど…皆が…」
「まぁな――――…あんなことがあったから…身なりは大事って事だろ?」
「こらこら、こんなところで立ち話ですか?中に入ってください!お目当てのハーブもお待ちかねですよ」
ザジの後ろから現れた、リンデル所長が私たちを笑いながら研究所の扉を開けてくれた。