
❇️片暉の残照❇️
第2章 ハジロ公爵邸
「お嬢様――――、テイスお嬢様?」
私は体を揺らされ――――ハッと目を覚ましまた!
「どうして床で寝てらっしゃるのですか?ベッドから――――落ちた…と、言うわけではないみたいでございますが…」
私を揺り動かすジムさんに「おはようございます」と挨拶をすると、何故かホッとした顔になる。
「お着替えも――――なさらず…床で寝てしまわれたのですか?」
「あ――――…はい、なんだか…広いし…高級な家具ばかりで…怖くて」
すると、ジムさんは一瞬驚きすぐに笑顔になる。
「さようでございましたか――――では、ここのお部屋は安心出来る家具に入れ換えましょう。お嬢様のお部屋なのに安心出来ないのは…お辛いでしょう?」
「え?私の――――へや?」
「ええ――――昨日も申し上げと思いますが…お疲れでしたからね?」
