❇️片暉の残照❇️
第9章 城下町と嫉妬の炎
「まっ、たまには俺も息抜きしないと――――…最近は周りがうるさくてな」
――――結局…数人の護衛を連れて街にサンドラ様と来てしまった…。
「あ…あの~…」
「ん?なんだ?――――あ~ここのホットワインは旨いぞ、串肉も旨いしな」
そう言うと、従者に買いに行かせようとする――――!
「あっ…私はワインは…飲んだことがないので…///それと――――私が買いに行ってもいいですか?」
「は?――――自分で買いに行くのか?」
「ん~と…ここでは自分で買うのが当たり前なので。王族や貴族には従者がおりますが…あの門よりこちらの世界の住人にはそのような者はおりませんから――――」
「お前も貴族ではないか――――」
「ヘヘヘ――――たまたま貴族になった…だけですから」
私は、お兄様からもらったお財布を手にお店に向かった。
「おい――――…いいのか?お前たちはあの女のメイドと従者なのだろ?」
「テイス様が、何でも経験したいと――――…おっしゃておりましたので」
サンドラ様は眉を歪ませたが「あっそ」と、それ以上は何も言わなかった。