❇️片暉の残照❇️
第9章 城下町と嫉妬の炎
「は…はい――――…、成人して初めて自分の身分証明で城下町に出てきたので…街を見てから帰りたいと思っていまして…」
近くに立つサンドラ様は見上げるほど背が高く、体格も――――…まさしく銀狼って感じがして…怖い。
「へぇ――――…俺も行く」
「「え!?」」
サンドラ様の思わぬ発言に、私より先に声をあげたのはリンデル所長とシュン様だった。
「///え?――――あの~」
「ほら、行くぞ」
「あっ!ちょっと!?」
しかも、サンドラ様は私の答えを聞かず先に所長室を出ていった!
「あっ、え――――…気をつけて~」
焦り困った顔でリンデル所長を見ると…苦笑いで手を振っている…。
え――――…これって…?