❇️片暉の残照❇️
第9章 城下町と嫉妬の炎
それから、サンドラ様は従者を使わず次々と店に自分で店に出向き、注文をし――――…どや顔で私の前に購入した品々を見せてきた。
「サンドラ様――――こんなに食べられますか?」
「どれも店主の自慢の一品だと言うからな!ついつい買いたくなる!」
サンドラ様はワイルドに鶏の脚焼きにかぶりつくと、口の端に付いたソースを舌でペロリと舐め取った。
ワイルドにかぶりつく仕草はやっぱり銀狼見たいで…怖い――――あれ?
怖く…は――――ない?
短時間の間にこうも人のイメージと言うものが変わるとは思っていなかった私は、サンドラ様の食べる姿を見て笑ってしまう。