❇️片暉の残照❇️
第9章 城下町と嫉妬の炎
「へへへ――――サンドラ様、まだ口の端にソースが付いてますよ?」
「ん?――――取れ」
“取れ”…とは?……… あぁ~私に拭き取れっていってるのかな?
私は自分の指でそのソースを拭き取りそのソースをペロッと舐めた。
「は――――?お前…何してるんだ?」
「ん?取れって言いませんでした?あっ、このソース…凄くスパイスが聞いていて美味しいですね!」
私は指に付いたソースをマジマジと見つめ、スパイスの種類を考え始めた!
「お前――――……」
私の様子に呆気に取られた周りは少しザワついたがケロッとしている私に気を使ってか…皆が黙り混む。
「おい――――…お前は一応、公爵令嬢なのだろ?そう言う事は…控えろ!」
「――――え?そう言う事?」
しかし、私は意味が分からず…小首を傾げてしまう。
「///はぁ――――…ったく、調子が狂う……」
サンドラ様は食べかけの鶏肉を私に渡すと「食うか?」と肉付きのいい場所を口に押し付ける!
「///はい!いただきます!」
私は遠慮なしにその部位に大口でかぶりつく!
「///ん~~~~!美味しい!!!」
甘辛のソースはピリリと舌に刺激を感じるものの、後から甘くそれを中和してくれる!
蜂蜜?――――黒糖?
いやいや…もっとスッキリとした!
「///おじちゃ~ん!!!このソース蜂蜜?黒糖?どっち~!」
私は小走りで露店の店主にソースの原料を聞きに行く!