❇️片暉の残照❇️
第10章 嫉妬の代償
「へぇ~…このソース…野菜の甘味で…って、トマト?へぇ~」
私は露店の店主にソースの作り方を聞いていた。
まさか、あのスッキリとした甘味がトマトだったとは!?確かに――――味の最後に爽やかな酸味が見え隠れしている。
「///うゎ!店主さん!天才!」
「そうか!?そこまで言われると照れるなぁ~、お嬢ちゃん――――これサービスだ!このソースたっぷりの切り落とし部分と卵のサンド!あの気取った兄ちゃんと食べな!」
店主は「まかない料理だけどな!」と、言うと鶏肉の切り落とした部分と卵をサンドしたパンを私にも持たせてくれた――――!
「///えっ、えええ――――!おじさん!?いいの?キャー嬉しいありがとう!」
大きめなサンドイッチを受け取ると私はサンドラ様の方に振り向く!
手にしたサンドイッチを見たサンドラ様は驚いていたが、呆れた顔と嬉しそうな顔が混じる変な顔で私を見ていた。
と――――…その瞬間…私に誰かがぶつかった…。
ハラ――――…
「ん?――――」
一瞬…風が首筋を通る感覚に「?」と、疑問が脳裏を横切ったが――――サンドラ様やニコル…キロが慌てた様子で私の後ろを通りを過ぎた人を追いかけ…捕らえた!