❇️片暉の残照❇️
第2章 ハジロ公爵邸
この瞳を見たら――――…ハジロ公爵も…気持ち悪いと…私を遠ざけるかもしれない…。
養子――――と、言う話にはならないかもしれない…。
でも、母は「誰にも見せないで」と、念を押していた…。
「お母さんとの…約束…だもんね…」
私は…鏡に映る自分の瞳をソッと隠した。
異形の瞳――――…
――――私はこの秘密を抱えながら……ハジロ公爵の援助を受けられるだろうか…。
久しぶりに見た不気味な自分の瞳に…不安がよぎる。
やっぱり、母の故郷を見たら――――…あの村に帰ろう…。
それまでは…
私は、その事を胸にしまい浴室を出た。