テキストサイズ

❇️片暉の残照❇️

第11章 奇跡の王


「!テイス様――――!」


「ニコル…?…あ、ぇ~と…おはよう」


目が覚めると、青ざめた顔のニコルとキロがいて、少し面食らってしまった。


ゆっくり起きると、ニコルは体を支えベッドに寄り掛かれるようにサポートしてくれる。


「ニコル、キロ――――迷惑をかけてしまい…ごめんなさい」



深々と頭を下げると、ニコルとキロは私の側にき来ると――――…手を取った。


「謝らないでください!私が…もっとしっかり護衛していたら…こんな…こんな…事には…」


キロが床に膝まづき手をグッと強く握った。



「キロ!大丈夫よ――――ほら、私はなんともないから!」


「なんともないなんて――――髪を…あんな綺麗な髪を……バッサリ…」


キロは涙目で私を見上げると悔しそうに唇を噛む!


「そんなの!命を取られなかっただけいいじゃない!?」


私は今にも唇から血を流しそうなキロの震える手にそっと手を乗せ…笑った。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ