
❇️片暉の残照❇️
第12章 お茶会と緊張の挨拶
「おはようございます!テイス様」
「――――おはようニコル」
ベッドの背もたれに体を預け、ニコルが声をかけるのを待つ。
うっかり寝起きで眼帯無しの左目を見られないためだ――――。
「もう少し寝てても大丈夫なのに…いつも私より早いお目覚めで……」
少し、嫌味がかった言い方に「へへへ…」と、笑って見せるも――――、これでも最初の時よりはましだと言われる。
カーテンがニコルの手で開けられると、朝日が部屋のなかに広がる。
「テイス様!今日は天気がいいですね――――…少し窓を開けますね?」
ニコルが窓を少し開けると――――、朝日の光とは真逆な寒い風が部屋に滑り込んできた。
「やっぱり――――…風は冷たいです…」
「そうだね、でも――――気持ちいい…目が覚める!」
私は、ニコルのそばに行き窓から外の風景を見た。
太陽の光と涼しい冬の風が仲良く手をとって――――…私を包む…。
「今日は…晩餐会ですね」
「///今から…緊張する」
