❇️片暉の残照❇️
第2章 ハジロ公爵邸
「――――では、そのような流れで手続きを進めよう。
さぁ、今日からテイス殿は私の娘――――、“テイス”と読んでも構わないかな?」
私は微笑みながら手をさしのべるハジロ公爵にハッと息を飲む!
「///はっはい!――――よろしくお願いいたします!ハジロ公爵様」
「こらこら、“公爵様”ではなく…“お父様”だろ?
しかし、“父上様”“パパ”ってのも悪くないなぁ…ハハハ!困ってしまうなぁ」
――――え///お父様…だなんて…
「ほら、呼んでおくれ?」
「///は、はい――――…お父様…」
「ハハハ!この年で娘が出来るとは…複雑な思いもあるが――――…いいもんだ、テイス…幸せを掴んでおくれ」
“幸せを掴んでおくれ”
この言葉がグッと胸の奥にじんわりと広がっていく――――…。
「はい――――お父様」
こうして、私の人生は――――…思いもよらぬ方向へと進み始めた。