
❇️片暉の残照❇️
第13章 初めての晩餐会
「///うゎ!お母様…ありがとうございます!これです!
昨年…お借りしたままで返せなくて…困っておりました!でも、その方が今日の晩餐会に、お付きで来ると言っていたので!返せるチャンスだと思いまして!」
「あら、そうなの――――…」
お母様は、少し目が荒くなったハンカチを見て頬笑む。
「この…ハンカチずいぶん使い込んでいるみたいだけど……///大切に使っていたのが分かるわね…」
「はい――――その方はとても気配りの効く…優しい女性です」
ハンカチを受けとると――――、植物園での出来事やお茶会でお嬢様の事を考え困っている様子が目に浮かんできた。
「そう言えば…私その方の名前――――知りません…」
「あらあら……テイスったら…」
「ハハハ!」
お母様とお父様に呆れられてしまったが、顔は覚えている!
晩餐会の時にでも――――こっそり返そう。
