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❇️片暉の残照❇️

第3章 不思議な娘


ハジロ公爵の領地に移り――――…一ヶ月がたとうとしていた。


すぐに王都の屋敷に行く予定だったが、公爵様の仕事の関係でしばらく滞在することとなった。


それに関しては私はホッとしていた。

何故ならば、公爵家の人間らしい振る舞いを覚えるのに手間がかかっていたからだ。

いくら、元貴族の母から多少の作法や言葉遣いを学んでいたとしても、本格的な作法となると覚えるのに一苦労した。




「テイスお嬢様――――…そちらは私がやりますので…」


「は、はい――――…えっと…すみません……っアッ……、ありがとう…」



しかも、15年間の生活態度と言うのはなかなか抜けず――――つい、食器を自分で片付けようとしたり…掃除をしようとしたり…


貴族らしからぬ行動をしてしまう度に…ニコルに「テイスお嬢様」と、窘められてしまう。


あの家では、何でも自分でやっていだから…ニコルに頼むのが申し訳ないのだ。



しかし、ジルさんにも言われたが――――…「我々を上手に使いこなすのも勉強」だそうです。


立派な淑女にならなければいけないのはわかるけど……


申し訳ない気持ちになる。











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