❇️片暉の残照❇️
第3章 不思議な娘
「テイスお嬢様、気分転換に温室に行かれてはどうですか?」
「あ――――///はい!」
勉強の合間にジムさんが声をかけてくれた。
庭の奥に――――研究用の温室があり私はそこが気に入っていた。
「あそこ、なんだか家の裏山を思い出すのよ。沢山の野草やハーブがあるでしょ?香りが懐かしいと言うか――――…落ち着くの」
私は、ベールを顔にかけ…中庭を抜け――――…奥の庭に向かう。
「今日は日差しも強いですから…無理はなさらないでくださいね?」
「ありがとう、ニコル」
私は、ニコルを従え――――…温室へと向かった。
王都の屋敷での生活の前に色々と覚えないといけないことは沢山あるのに…やっぱりここに来てしまう。
一ヶ月もたたないうちにホームシックなんて…情けない。